FUJIFILM X-S10 XF18mmF2.0
PROVIA

さて、暇なので本の話の続き。
レイモンド・チャンドラーである。
実は、チャンドラーというのは長編小説を7冊しか書いていない。 はじめは長編ミステリー作家として売り出そうと思っていたんだけど、大して売れない・金にならない^^;
なので、途中で小説を書くのに力を入れずにハリウッドで脚本家として活躍する。 そっちの方が儲かるし生活が安定するからだけど、本人にとっては、はなはだ不本意で鬱屈した日々が続く。
彼の小説にはやたらカクテルだとかウイスキーを飲むシーンが出てくるけど、チャンドラー自身アルコール依存症で浮気性である。
が、奥さんのことは愛していたみたいで、奥さんが亡くなってからはますます酒浸りになってすぐ死んでしまう。
最悪ですな^^;
しかし、珠玉の7編を残してくれた。
僕はとっくに読んじゃったけど(ちなみにチャンドラーのファンをチャンドラリアンというらしいけど、もっと語呂の良い言い回しはないのか^^;)暇だからもう一度読み直している。
ハードボイルドタッチというと、元祖はダシール・ハメットで、純文学ではアーネスト・ヘミングウェイだけど、誰も真似ができない孤高の存在はレイモンド・チャンドラーである。
巧みなキャラクター造形。 チャンドラーの場合は一度きりしか登場しない「端役」にもくっきりとした個性を与えるのだ。
そして簡潔で乾いた文体と軽快かつ緊張感に富んだ会話の応酬。 鮮やかに目の前に立ち上がる情景。
ええっと・・・読むほうが早いね^^;
ああ、わしもフィリップ・マーロウのような男になりたい! 主人公の私立探偵ですよ。
戦前・戦後にかけて活躍した作家という点では、江戸川乱歩や横溝正史とほぼ同世代である。
余談だけど、チャンドラーの小説を読んでいたら、そりゃ戦争に負けるよな日本、と思っちゃいますよ。 国民の暮らしぶりが全然違うもの。 戦前・戦中。
一家に一台、あるいは一人一台自動車を持っているし、おんぼろビルディングにもガタピシ動くエレベーターがある。 ナイトクラブでは、戦争どうなるんでしょうねえとカクテルを飲みながら話している横でキレイなおねーさんがジャズを歌っている。
そう言えば、映画「カサブランカ」って戦争中に作られた戦意高揚映画だったんだよね、チャンドラーとは関係ないけど。
ううむ・・・・ そりゃ負けるわなあ日本・・・・ はじめから話にならんやろ^^;
うちの母親は、満州から復員したお兄さん(ぼくの伯父さん)がマラリヤを患っていたんだけど、舞鶴から京都まで帰る途中に進駐軍が毛布や食料の缶詰をふんだんにくれた。
ああ、そら戦争負けるわなあ、敵の兵隊にやるもんをこんだけ持ってるんやからアメリカは、と思ったそうである。
ううむ・・・・

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