Nikon Z50 Z DX 16-50mmF3.5-6.3
司馬遼太郎の「韃靼疾風録」を読んでいる。
司馬遼太郎最後の長編小説である。後10年は生きていてほしかったよなあ(;_;)
江戸時代のはじめ、まだ鎖国が完全に行われていなかった時代。平戸藩の海岸に韃靼公主(姫君)の乗った難破船がたどり着く。
韃靼(だったん)って女真族=満州族ですよ。
ちなみに平戸というのは倭寇の巣窟ですな室町から戦国時代にかけて。
平戸の下級武士である桂庄助が藩の密命を帯びて韃靼公主を韃靼国に送り届けるべく、共に明船に乗り込むんだけど・・・・
韃靼公主のアビアが魅力的です。絶世の美少女です。ちょっと小悪魔(^^)
まあ波乱万丈ですわ。フィクションだけどねもちろん。
17世紀の日本および東アジア世界の歴史的状況は、例によって資料に基づいて詳細に記されている。
日本から韃靼へいくには、朝鮮半島に渡って、その後陸路で満州へ行けばすむ話である。が、ことはそうは単純ではない。
まず、朝鮮(李氏朝鮮)が鎖国しているのはもちろん、日本人だとわかると殺されてしまう。文禄・慶長の役(秀吉の朝鮮出兵)から20年ぐらいしか経っていないからね。
じゃ、中国の遼東半島の近くに上陸すればと思うけど、そうもいかない。明は韃靼と激しい戦闘を行っている最中だから、発見されれば韃靼公主は殺害される。
じゃ、どうやって行くねん!!!ってお話である。
歴史的に見るとこの後、明は韃靼(満州族)によって滅ぼされて、新しく清王朝ができるわけだ。
何が面白いって、当時の歴史情勢・・・今と同じなんですよ。現代と。
中国人の持つ中華思想。中国と朝鮮の力関係というか上下関係。朝鮮人が日本人を見るときの感じ方。日本では幕藩体制と身分制が完全に固定化されていく。
おお、400年前から変化していない^^;
なるへそ・・・と思いながら読んでいる。(そりゃ一筋縄ではいかないよなこの三国と思ってしまう)
ちなみに倭銃というのがでてくる。日本製の火縄銃だけど、これが高性能なのである。明軍・朝鮮軍・韃靼軍ともに垂涎の的。さすがモノづくり日本(^^)
にほんブログ村